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東海道五十三次の旅2ndシーズン・その12
((47)関~(48)坂下~(49)土山)
晴れ
ほぼ1年前,私は東海道最大の難所・箱根(はこね)にいました.
あれから1年,.私は今東海道第二の難所・鈴鹿峠(すずかとうげ)に挑もうとしています.
東の箱根峠,西の鈴鹿峠と言われるくらい難所の「双璧」をなす2つの峠.
現代,歩いて行くとなると圧倒的に鈴鹿峠のほうが大変だと思っています.
箱根峠の標高は846m.
それに対して鈴鹿峠の標高は378m.
スタート地点の標高を考慮しても鈴鹿峠の標高差は箱根峠の半分以下で,疲労度でいっても箱根峠のほうが大変だと思います.
しかし,最大の違いは…並行バス路線がないこと!
つまり,リタイアしたくてもできないということです.
箱根のときは旧東海道にほぼ並行して1時間に2本のバス路線があり,他にも箱根周辺にはたくさんの路線が走っていました.
しかしこの鈴鹿峠を通るバス路線はないので進み出したら最後(!?),戻るにしても歩いて戻るしかありません.
少し前までは,途中の坂下宿(さかしたしゅく)のある伊勢坂下までバス路線がありました.
現在はコミュニティバスとして運行されており,運賃が安くなってラッキー!…と思っていたら…
何ですかこの変則ダイヤは└|゚ロ゚;|┘
午前中は坂下宿から関駅に向かうダイヤがメイン.午後は逆に関駅から坂下宿に向かうダイヤがメインです.
坂下の集落に住んでいらっしゃる方にとっては,朝に関駅周辺のお店や病院に行き,午後に戻ってくるのでこのダイヤが都合がいいと思うのですが,関駅から坂下宿に観光する人(私含む)にとってはこのダイヤでは使えません.
何せ最終バスがお昼の12時なので,午前中しか滞在できないことになるので..
鈴鹿峠まで(三重県側)のバス路線は今回の旅には使えないことがわかったのですが,鈴鹿峠を越えた滋賀県側は幸いコミュニティバスが充実しており,少し歩けばバスがあることがわかりました.
前置きが長くなってしまいましたが,とにかくリタイアできないということで今までにないプレッシャーを感じますが,東海道最大の難関・箱根を越えたという自信を持って挑みたいと思います.
前回は関宿の途中で終えました.
本来ならば関宿の途中からの再開なのですが,滋賀県側のバスの最終が早めであることと,峠越えに向けて余計な体力(^^; を使わないようにするため,旧道内の関宿内を詳しく歩くのは後にして,現国道1号を歩いて「ワープ」することにしました.
ということで,関宿からスタート!
関宿西の追分
ここが関宿の西の入口ですが,東海道と大和街道の分岐点でもあります
大和街道は現在の国道25号
酷道界で有名(!?)な非名阪です
本日の敵(w),鈴鹿峠に近づいてきました
それにしてもこのクルマの少なさ…ほんとに天下の国道1号なのでしょうか…!?
何回か現国道と分かれて旧道を入っていきます
土山峠までの間は,こんな感じの手作り感満載の常夜灯が何ヶ所かあります
それにしても今日はいい天気です
坂下市瀬一里塚跡碑
隠れるようにひっそりと建っています
その一里塚跡をすぐ右に曲がると坂下の沓掛(くつかけ)集落です
ちなみに「坂下宿はこちら」的な看板はありません…
あまりにもリアルな像だったので遠目で見たら本物の人間かと思いました(^^;
のどかな集落の道を進んでいきます
ここは本当に東海道なのでしょうか…
しばらく歩き,鈴鹿馬子唄会館(すずかまごうたかいかん)前を右に曲がると東海道五十三次の宿名が書かれた柱が並んでいます
ここまで歩いてきた宿を1つずつ思い出しながら進んでいきます
知鯉鮒…なんか惜しい!
「池鯉鮒」か「知立」にして欲しかったです
最後の三条大橋だけちょっと外れたところに柱が立っています
…まさか建てるときに三条大橋の分を入れていなかったとか!?(^^;
しばらく歩き,坂下宿の入口にきました
松屋(まつや)本陣跡碑
今では「伊勢坂下」バス停と車庫になっています
三重県側のバスはここで終点
ここから先は滋賀県に入るまでバスはありません
大竹屋(おおたけや)本陣跡碑,梅屋(うめや)本陣跡碑,小竹屋(こたけや)脇本陣跡碑
坂下宿は本陣3軒,脇本陣1軒あり,規模としては比較的大きな宿場でした
「ここが東海道」とわからなければ,どこにでもあるような地方の集落のように見えます
余りにも寂しすぎます
昔ながらの街並みの「重要伝統的建造物群保存地区」になっている関宿と違い,坂下宿はあまりにものどかで寂しい場所でした.
昭和の時代から時が止まっているような感じである意味「昔ながら」の風景ですが,鈴鹿峠越えを控えて賑わっていたかつての宿場の面影は全くありません.
国道1号は近くを通っていますが,ここが坂下宿であることがわかるような看板はなく,クルマで知らずに通っていたら間違えなく通り過ぎると思います.
鉄道(関西本線,草津線)は鈴鹿峠越えを避けるためにかなり西のほうを迂回し,東海道本線や東名・名神高速は中山道(岐阜)経由になり,坂下宿は寂れていきました.
最近では新名神高速が東海道に近いルートを通るようになりましたが,坂下宿は華麗にスルー..
東海道五十三次で,現在の市町村区分で同一市町村内に3つ以上宿場があるのは横浜市,静岡市,浜松市,亀山市がありますが,政令指定都市を除けば亀山市のみ.
亀山市は亀山宿と関宿の観光に力を入れているようですが,坂下宿は...
坂下宿は観光で来るのは不向きですが,こういう寂しいところも味があるのかも知れません.
3つ宿場がある市って珍しいんですけどね…
坂下宿を抜け,いよいよ本日のメインイベント・鈴鹿峠越えに挑みます.
しつこいようですが,ここからはバスがないので後戻りはできません(←少々大げさですが(^^; )
ここまでは緩やかな上り坂でしたが,ここから一気に急坂になります.
国道1号と分かれ,いよいよ山道に入っていきます
林の中を登っていきます
片山神社(かたやまじんじゃ)
今は本殿が崩れて廃墟のようになっているそうです
余計な体力を使いたくなかったので上に登らなかったのですが…いま思えば見ておきたかったです(^^;
東海道は片山神社の右の道を登っていきます
途中で石畳の道になり,箱根越えを思い出しました
国道1号をくぐります
国道はかなり大回りしていますが,旧東海道はほぼ直線的に急坂や階段を上ります
ちょっとした広場を通り,登山の続きです
芭蕉句碑もありました
さらに階段が続きます
箱根のときは雪の道でしたが,この日は雪は残っていませんでした
鈴鹿峠付近は木に囲まれているので見通しが悪いです
わずかの木のすき間から撮った写真
しばらく歩くと平らなところに…
もう頂上!?
ハイ..もう頂上に到着です(^^;;
箱根に比べて標高差は半分以下なのでラクといえばラクなのですが..
もう少し疲れるかと思っていたので拍子抜けです(^^;
「東の箱根峠,西の鈴鹿峠」というくらいなので相当大変だと覚悟していたのですが,割とアッサリと頂上まで着きました.
「坂下宿で一旦引き返す」というヘタレプランもいっとき考えましたが,一気に鈴鹿越えしてよかったです.
田村神社跡
坂上田村麻呂を祀った田村神社の旧跡です
さらに山道を進むと「鏡岩」があります
断層が生じたときの摩擦で岩が研磨され,鏡のような光沢になったことから鏡岩と呼ばれたそうです
鏡岩から見た鈴鹿峠の三重県側
足元はすぐ崖なので,写真撮るときも怖かったです(^^;
少し歩くと先が明るくなってきました
間もなくして滋賀県(しがけん)に入ります.
林がちょうど途切れたところが県境.わかりやすいです(^^;
県境石標
薄暗い林から一変,緑の茶畑が広がります
三重県側とはまた違ったのどかな道です
万人講常夜灯(まんにんこうじょうやとう)
大きい常夜灯で遠くからでも見えて存在感があります
常夜灯は国道のトンネルの上にあります
国道を走るクルマからでも確認できる…と思いきや,このトンネルは一方通行の出口なので確認できなさそうです
残念…
地下道を通って反対側の歩道に渡ります
道路左右の不自然なふくらみは元バス停でしょうか…
ここにも手作り感のある常夜灯がありました
大津まで50km
かなり近づいてきました
鈴鹿馬子唄碑がある広場でちょっと休憩
この日は坂下からここまで晴れましたが(^^;
のどかな土山の町を貫く新名神高速
右の写真は第二名神(=新名神)滋賀県起工の地の碑
山中一里塚
ここもちょっとした広場になっていて,鈴鹿馬子唄碑もあります
この近辺は国道1号によって旧東海道が分断・廃道になったところが何ヶ所かあります
この立入禁止の看板の先が旧東海道と思われるのですが,社用地になっているので様子はわかりません…
国道を離れて猪鼻(いのはな)の集落に入ります
猪鼻集落にある旅籠中屋跡と明治天皇聖蹟碑
一度国道に合流し,また国道と分かれてベージュ舗装の道に入ります
白川神社と樹齢400年の椎の木
工場に入っていくような道が旧東海道です
蟹坂古戦場跡碑
海道橋(かいどうはし)
田村永代板橋を最近復元して架けられたそうです
これを渡って田村神社に入ります
橋を渡ろうとしたとき「木の香りがするなぁ…」と思ったら隣が木材屋でした(^^;
田村神社
田村神社の国道の対面にある道の駅「あいの土山」(あいのつちやま)
「あいの」は漢字で書くと「間の」です
ここから比較的バスが多く出ているので,今日はここまでにしました
東海道最後の難関,鈴鹿峠を越えて滋賀県に入りました.
この日を迎える前は「万が一ケガでもしてリタイアしたくなったらどうしよう…?」と心配になりましたが,いざ登ってみたらあっけないものでした(^^;
土山に着くのが夕方くらいになるかと思い朝早く出発しましたが,予想より早く土山に着きました.
鈴鹿峠を越えれば急坂はもうなく,土山宿の次の水口宿(みなくちしゅく)から先は鉄道が並行して走るので調子いいときの延長や調子悪いときの中断もしやすくなるので気分的もラクです.
ゴールに向けてラストスパートです!
現在地:(49)土山
今回進んだ宿場:2
今回進んだ距離:16.2km
今回歩いた歩数:26,394歩
残り宿場:5/54 ※「54」は三条大橋を含めた数
残り距離:61.9km/492.1km
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